運転代行中の事故、自動車保険は使える?

首都圏だと通勤に電車を使っている人が多いですし、遅い時間帯まで終電があるので、あまり運転代行を利用することはありません。

ただ、仕事で自動車を使っていたり、地方で駅周辺に居酒屋がなかったりすると、飲酒運転はできないので、帰りは運転代行を利用するケースは多いんじゃないでしょうか。

もし運転代行を利用して、代行運転中に事故を起こしてしまった場合、自動車保険は使えるのでしょうか?

代行運転中の事故に自分の自動車保険は使えない

自動車保険は人ではなく車に紐づきます。ですから、運転者限定条件を設定していなければ、代行運転中の事故でも自動車保険を使えると思うかもしれません。

でも、代行運転中の事故に自分の自動車保険は使えません

運転代行業者は自動車保険における自動車取扱業者に含まれており、被保険者の範囲から除かれるのです。

これはどの損保会社の自動車保険も同じです。例えば、チューリッヒのスーパー自動車保険約款には以下の記載があります。

記名被保険者の承諾を得て被保険自動車を使用または管理中の者。
ただし、自動車取扱業者が業務として受託した被保険自動車を使用または管理している間を除きます。

第3条(被保険者の範囲)-スーパー自動車約款|チューリッヒ

他に、自動車修理業者や自動車販売業者も自動車取扱業者となっています。修理を依頼して、納車してもらう最中の事故なんかも加入している自動車保険の補償対象外となります。

運転代行業は任意保険の加入が義務付けられている

では、運転代行中は無保険状態なのかというと、そうではありません。

というのも、代行運転業者には自動車任意保険(共済)の加入が義務付けられているからです。加入していないと公安委員会の認定を受けることができません。

  • 対人賠償 8,000万円以上
  • 対物賠償 200万円
  • 代行運転をする自動車に対する車両保険 200万円以上

代行運転を依頼する側として頭に入れておいたほうが良いことが何点かあります。

1つは、対人・対物それぞれ無制限ではないということ。そして、もう1つは随伴車には任意保険の加入義務がないということです。

随伴車とは、依頼者の車を運転する運転代行業者の車のことですが、随伴車に依頼者を乗せることは法律で禁止されていることから、任意保険の加入義務はないようです。

つまり、自賠責しか加入していない自動車が近くを走行している状況になります。実際、随伴車が起こす事故に絡むトラブルがあるようなので、注意しておいたほうが良いでしょう。

依頼者も代行運転中の事故の責任を負わなければいけない

運転代行業者が任意保険に加入しているのであれば、万が一運転代行業者が事故を起こしてしまった場合でも問題ないのでしょうか。

多くの場合は問題ないですが、絶対に問題はないと言い切れません。それは代行運転を依頼した場合、運転代行業者と依頼者が運行供用者として、損害賠償責任を負うからです。

自動車損害賠償保障法第三条(自動車損害賠償責任)の「自己のために自動車を運行の用に供する者」を運行供用者と言います。運行支配、運行利益があると運行供用者とみなされます。

代行業者の場合は、運転するので支配できる状態であり、運転することで代行費用を受け取るわけですから、利益があります。

一方で、依頼者はというと、同乗するので運行に対して支配できる状態と言えます。また、運行によって目的地まで送り届けてもらえるという利益を享受できます。ですから、依頼者も運行供用者として損害賠償責任を負うのです。

実際は、運転代行業者が任意保険に加入しているので、もし事故を起こしてしまったとしても、その保険から補償されると思います。

ただし、義務付けられているのは対人・対物ともに無制限ではありません。ですから、もし補償額を上回る損害賠償額になった場合に、依頼者も賠償請求される可能性があります。

おすすめの見積もりサイト

インズウェブ自動車保険一括見積もり

ソニー損保、アクサダイレクトなど大手を含む最大21社の自動車保険を一括で見積もれます! 最短5分で入力完了、各社の見積もり結果がリアルタイム表示されるので、便利なサイトです。